露盤   露盤は、本来棟頭頂部の雨仕舞いとして考案された構造材であるが、擬宝珠を取り巻き豪華な棟を一層彩る「錺」へと、その姿を変えていったものである。

 彫刻露盤に於いては、松本系では三代目松本義廣作品と下絵が出て来た堤義法作品を、黒田系では岸和田の名工・岸田恭司作品を、加えて地元・姫路より現代の彫刻のメッカ・富山県井波で修業し独り立ちした若い工匠達の作品を展示しています。古から現在まで、連綿と屋台彫刻の意(こころ)と技とが力強く承け継がれている事を感じて戴けたら幸いです。
 一方、金具製露盤於いては、播州錺金具師の両巨頭、カナセ・下間清平とカナキ・木村円二郎の作品を展示していますので、播州が生んだ名工の技を心ゆくまでご堪能下さい。
 更に今展示会では、意匠(龍・七福神・獅子)が似通った作品の、彫刻彩色⇔彫刻木地⇔金具の比較展示をしていますので、その趣の違いを間近で味わって下さい。

意匠:獅子の玉乗り
製 :平成13年(2001)
作 :岸田恭司
塗師:砂川 隆
材 :檜
地区:網干・魚吹八幡神社/平松
 播州飾磨彫刻師・黒田一門の流れ【初代〜
二代目〜三代目黒田正勝〜木下舜次郎(淡路)
〜筒井和男(岸和田)〜】を汲む、岸和田の名
工・岸田恭司師の作。
 玉の籠彫りなど極めて高い技術は感服する
しかない。
 又塗りは砂川弘征師の息、新進気鋭の隆師
が担当した。