露盤   露盤は、本来棟頭頂部の雨仕舞いとして考案された構造材であるが、擬宝珠を取り巻き豪華な棟を一層彩る「錺」へと、その姿を変えていったものである。

 彫刻露盤に於いては、松本系では三代目松本義廣作品と下絵が出て来た堤義法作品を、黒田系では岸和田の名工・岸田恭司作品を、加えて地元・姫路より現代の彫刻のメッカ・富山県井波で修業し独り立ちした若い工匠達の作品を展示しています。古から現在まで、連綿と屋台彫刻の意(こころ)と技とが力強く承け継がれている事を感じて戴けたら幸いです。
 一方、金具製露盤於いては、播州錺金具師の両巨頭、カナセ・下間清平とカナキ・木村円二郎の作品を展示していますので、播州が生んだ名工の技を心ゆくまでご堪能下さい。
 更に今展示会では、意匠(龍・七福神・獅子)が似通った作品の、彫刻彩色⇔彫刻木地⇔金具の比較展示をしていますので、その趣の違いを間近で味わって下さい。

意匠:天の浮橋
   文覚上人の荒行
   後藤又兵衛の撥槍
   野見宿禰の相撲
作 :棒谷雅敏
製 :平成19年(2007)
材 :檜
地区:飾磨・恵美酒宮天満神社/北細江
 棒谷師は昭和48年、姫路市飾磨区生まれの
35歳。
 平成8年富山県井波の柳沢英一師に入門。
平成13年独立。
 平成18年より飾磨・恵美酒宮天満神社/北
細江地区屋台の彫刻を手掛け、昨年披露され
本展示会に出品されている露盤はその大きさ
と共に、珍しい図柄が注目を浴びている。
 師には5月3日(祝)、当会場での実演で、
北細江屋台の狭間を彫り進めて戴いた。