★データを採るにあたっての諸元

  1.総来場者数   :13,222名
  2.アンケート配布数: 4,287枚
  3.有効回収数   : 3,357枚
  4.回収率     : 78.31%

★アンケート内容

  Q1.どちらから来られましたか?
      A例(市内・県内・県外)
  Q2.本展示会の他にどこかに行かれましたか?予定ですか?
      A例(菓子博・姫路城・書写山・その他)
  Q3.性別・年齢?
      A例(男・女・○○歳)
  Q4.どの展示が一番印象に残りましたか?
      A例(彫刻・刺繍・錺金具・その他)
  Q5.本展示会の何倍もの規模の有料常設展示施設「播州屋台会館(仮称)」があれば、
     訪れたいと思われますか?
      A例(300円・500円・700円・1000円・思わない)
  Q6.「播州屋台会館(仮称)」にこんな要素・コーナーがあれば良いのに!
     と思われるものがあればご記入下さい。
【考察】
1.一日当たりの来場者数で見ると、H08「彫刻展」は当時祭礼関係の展示会が殆ど無かった中での開
  催であった事と、人気No.1の彫刻が題材であった事とで大好評を博した。
2.その後当初インパクトの低下と共に漸減傾向が見られる様になった。
3.しかし乍ら、H17「錺金具展」・H20「伝承展」と急激な増加をみた事は、H15の署名活動・提案書
  提出以降、市民の盛り上がりが極めて顕著である事を如実に表していると言える。
【考察】
1.菓子博期間中にも拘ず、展示会単独来場者が全体で22%(市内25%・市外17%)もあった事は注目
  に値すると共に、播州祭・屋台文化の潜在力を示すものと言える。
2.とりわけ、姫路市外(兵庫県内・県外)の17%は驚愕の数字と言っても良く、大阪・東海等の彫刻
  の盛んな地方からの来場者、県内中播から絹常を生み、四国に多くファンが存在する事等が数値
  を押し上げたと思われ、会館後の展示品蒐集の広域化・企画展示での共通文化保有地方との連携
  強化により、市外・県外からの来館者確保に大きく寄与出来る事を示している。
【考察】
1.全体でみると彫刻が50%を占めており、刺繍25%・錺金具19%・その他6%と続き、事前に予測
  された通りのシェア順位となった。

2.その一方で、男女別・姫路市内外別でみると極めて特徴的な傾向が判明した。
3.それは女性・姫路市外者の刺繍のシェアである。女性のそれは男性に対し12P、市外者は姫路市
  民に対し5Pそれぞれ上回った。グラフにはないが、女性で市外者の場合には刺繍シェアは34%
  に達し、対極にある男性姫路市民の18%を実に16P上回った。
4.彫刻の大シェアは、かつて姫路が"彫刻どころ"であり、多くの秀逸作品が現存し市民が誇りを持
  ち続けている事の証左である。
5.刺繍のシェアに特徴が表れたのは、県内中播地方から「絹常」を生んでいる事、四国に絹常の熱心
  なファンが多く、地理的に沢山の来場者が有った事、女性に手芸を趣味に持つ方が多い事に起因
  していると思われる。
6.会館建設後の展示に関しては、刺繍の展示展開に工夫を凝らす事によって、観光客の大半を占め
  ている女性の来館を促す事が出来るという貴重なデータが得られた。

7.又、その他の中では予想通り実物屋台が圧倒的に多く、開館後の展示に実物の迫力が必要不可欠
  である事が裏付けられた。
8.次いで乗子衣装がかなりの数を集めたが、今回は魚吹地区の衣装を展示した事で多くの女性票を
  得た。この事も上記6と共に来館者確保に於いて示唆的である。
9.更に、主催者として嬉しかったのは、少数ではあるが伊達綱・下絵・水墨画に票を得た事である。
  改めて、意匠・風俗の変遷、職人の貴重な資料、祭りを題材とした市民文化等の企画展示が、よ
  り一層、地域固有の播州祭・屋台文化を掘り下げ、厚みのあるものにして行くとの意を強くした。
【考察】
1.女性のところで若干「思わない」が多い(14%)が、総体的に概ね9対1の比率で予測の範囲内で
  ある。
※ 尚、この項目は飽く迄も「屋台会館があれば訪れてみたいか?」という設問であり、屋台会館の要否を問うたものではない事を申し添える。
【考察】
1.性別・市内外を問わず、500円→300円→1,000円→700円のシェア順となっている。
2.入館料平均で、男性>女性⇒やはり女性の財布の紐は固く、市内<市外⇒観光客の方が緩い事を
  示していると思われ予想通りの結果が出ている。
3.平均入場料は、現実的でない300円を選択肢に入れていた事、700円+1,000円のシェアが15%も有
  る事を考慮すると、500円〜700円の間で設定するのが妥当と思われる。
※ それぞれの要素・コーナーに含まれるもの
   ・祭り詳細:各神社歴史・祭礼様式・各屋台詳細・他地方祭り・打方比較・掛声比較・地区特集・映像
   ・体験:練り体験・太鼓体験
   ・特徴:太鼓・ブイ・幟・提灯・練棒の展示、巡行ミニチュア・電飾再現
   ・構造:屋台構造・屋台変遷・棟比較・蒲団屋台の展示
   ・実演:実演・製作工程展示・狭間体験・刺繍体験・シデ作り、乗子衣装・法被・締込体験と写真撮影
   ・コミュニティ・風俗:祭り準備と役割・祭りの食事
   ・専門:祭りと城主との関わり、意匠・図柄・場面の詳細説明
   ・土産:土産(ミニチュア・締込・法被・ストラップ・映像DVD・水墨画・写真 etc.)
【考察】
1.概ねH15提出の「提案書」に織り込んでいるが、乗子衣装・法被・締込体験と写真撮影、祭りの食事
  等、色々と示唆に富むご意見を頂いた。
2.開館後も来館者のご意見を常にリサーチする体制を整える事が肝要と再認識した。
【最後に】

 大変有り難く且つ勇気づけられるメッセージを頂戴している。
そのお気持ちにお応えすべく「播州屋台会館(仮称)」建設を必ず実現するとの決意を込めてご紹介し
締め括りとしたい。

 この方は、三田市つつじが丘在住の77歳の女性で、菓子博に来られて偶然来場されたとの事。アン
ケートに記入した後、間違って持って帰ってしまったが、「あまりにも感動したので…」と後日JC
事務局へわざわざ郵送下さった。
『生まれて始めて よくも此の様な大作を守り保存のよさに驚き 逸品無
 傷 日本の誇れる匠の技の数々 今一度ゆっくり来させて頂き度く 更
 に○も相像もつかぬ保存 伝承は大変の事と思われます どうぞ大事に
 日本の技が世界に発信 誇り伝承されます様頑張って下さい 有難うご
 ざいました。』
(原文ママ)