祭礼図絵馬・絵巻物

魚吹八幡神社祭礼図

(奉納):天保11年(1840)
寸:1270×3890
蔵:網干・魚吹八幡神社

網干塩浜の商人達が奉納した長大な絵馬。
本殿から御旅所迄の町中を進む神幸渡御行列の様子と群集の姿など、祭りの熱気が力強く描かれている。
祭りの盛んな播磨地方にあって、この壮大な祭礼図絵馬は魚吹八幡神社氏子衆の祭りに懸ける心意気を示している。

松原八幡神社祭礼図
(部分)

(奉納):嘉永4年(1851)
寸:1450×6120
蔵:灘・松原八幡神社

姫路市内最大級の絵馬で、「八幡宮御神事御規式定」に定められた祭礼様式が極めて丹念且つ写実的に描かれている。
願文や画家の雅号・落款、制作年月日等の記載が無いが、唯額裏の桟に「嘉永四歳亥六月中旬 御宮大工棟梁 岡本勘左衛重近倅 勘治良」と墨書されている事から、嘉永4年に額装し奉納されたものと推定される。

松原八幡宮祭礼絵巻
(部分)

(奉納):天保〜弘化年間
寸:270×25000
蔵:個人蔵

松原八幡神社例大祭の神幸渡御行列の様子が詞書の趣旨通りに詳しく描かれている。
瓢堂長種の巻頭詞書により、茂松園玉朗(木場村住人)が平安仁清に描かせたものである事が判る。
制作年号は記載されていないが、瓢堂長種が天保6年(1835)に小蓑塚を建てた宇佐崎村の俳人・石田五芳の弟である事から、天保後期〜弘化年間に描かれたものと推定される。

富嶋神社祭礼図

(奉納):万延元年(1860)
寸:1220×1990
蔵:御津・富嶋神社

苅屋村が奉納したもので、上部には満月の下、堤燈を手にした氏子に護られた神輿が御旅所へと進む様子、左側には境内の参拝風景、そして、中央と下段には各村の幟・神輿・檀尻・屋台の巡行等、江戸後期の祭礼風景が丹念に描かれている。庇を持つ布団屋根型屋台が確認出来、播州の屋台様式の変遷を窺い知る事が出来る。

縣社英賀神社祭典之図

(奉納):明治31年(1898)
寸:1040×2910
蔵:英賀・英賀神社

附城村により奉納されたもの。
神殿・拝殿から門前に至る風景を俯瞰的に収め、宮入する屋台と、社名・村名を縫い取った緋色の大幟が林立する宮前での神輿・檀尻・屋台と祭典役員・練子や、それらを眺める観衆の姿等、祭礼の情景が賑々しく且つ躍動的に描かれている。

荒川神社祭礼図

(奉納):大正10年(1921)
寸:1360×2120
大工:小河善四郎(姫路市野里大小路町)
画工:高橋  太吉(町坪)
蔵:荒川・荒川神社

拝殿改築記念に奉納されたもの。
屋台が威勢良く参道を登る様子や拝殿での屋台練り、紋付袴に帽子姿の役員や白い上下の着衣の上から締め込みをした練子、祭りを楽しむ老若男女等、当時の祭礼の情景が詳細に描かれている。
伊達綱で飾る屋台が大半を占める中、四隅に房を施した屋台や、大幟の後方で囃すシデ持の姿に荒川神社秋季例大祭の変遷が偲ばれる


尚、今回の展示に当たり拝殿から降ろした際、裏面の埃を払ったところ、大工:小河善四郎師(町坪)、画工:高橋太吉(野里大小路町)の手になる事が判明した。