絹 常 紹 介                                          

歴 代 当 主

初 代 絹 常 小 紫 常 蔵(こむらさきつねぞう)  享和 2年(1802)     〜明治 6年(1873)11月27日
二代目 絹 常 小 紫 武 八(こむらさきぶはち)    不   明      〜明治15年(1882) 3月29日
三代目 絹 常 小 紫 常三郎(こむらさきつねさぶろう)明治 5年(1872) 1月 2日〜昭和 8年(1933) 2月 4日
四代目 絹 常 小 紫 雅 康(こむらさきつねやす)  明治33年(1900) 2月 17日〜昭和49年(1974) 4月11日
五代目 絹 常 小 紫 敏 正(こむらさきとしまさ)  昭和11年(1936) 9月 1日〜平成11年(1999) 2月 5日
六代目 絹 常 小 紫 常 正(こむらさきつねまさ)  昭和50年(1975) 3月 8日〜    現      在


『絹常』(兵庫県加東郡社町東古瀬)は、
江戸末期、初代当主・小紫常蔵が播磨国小野に於いて修行ののち、独立し創業したと伝えられる。

絹常作品が高い評価を受けるのは、その技術の高さにある。
その手になる人物の表情、金糸・銀糸の流れ、
「糸より」と呼ばれる技法によって生み出される絶妙なぼかしは、作品に勢い・躍動感を与える。

虎の「表情」一つを見ても、
下顎や腹の部分は金糸と白糸とを縒り、金糸から徐々に白くして行くと云った技法が用いられ、
その毛並みまで刺繍で表現すると云う風に、非常に高度な技術を以って仕上げられている。

又、龍の鱗に於いては、通常の綿盛りの上に金糸を載せて行く方法の他に、
「一枚鱗」と呼ばれる特殊技法が用いられているものもある。
これは厚紙を鱗の形に型どり、その上に金糸を載せ、
更に龍の胴体に一枚づつ差し込んでいくと云うもので、非常に繊細で手間の掛かる作業である。
故にこそ、仕上がった龍は非常に豪華で見る者を圧倒する迫力がある。

この春、若き当主・常正が六代目を襲名し、その技術と名跡とが継承される事となった。